木刀の握りについて

木刀の握りについて

 

今回は木刀の握り方について、現在の私の考えていることを書いてみたいと思います。

 

握り方にしてもいろいろな握り方がありますよね。大学合気道部の時に先輩からは柄の一番端に薬指、小指は絵を握らずに内側面が柄頭に当てて突きの時にストッパーの役をするようにと教わりました。学生時代は左手の掌(小指下の膨らんだ部分)が柄頭に当たってこすれ、豆ができたり皮が剥けてしまったりしました。

 

私が素振りをするようになった時は師範から教えて頂いた、小指・薬指・中指を中心に卵を包み込むように柔らかく握ることを心掛けておりましたが、頭の中と現実は異なり前回書いたように筋肉痛になったりしました。今は右手・左手ともに小指・薬指・中指で握り、人差し指と親指は伸ばして握らないようにしています。赤羽根龍夫先生の著書『古武術仙骨操法」のススメ』(2016年 BABジャパン P74)で説明されている柳生新陰流の「龍の口」の形で人差し指と親指を伸ばしたようにしています。

 

素振りの時は指で握るというよりも指は柄に掛けるのみで、掌(小指側と親指の母指付け根の膨らんだ部分)で柄を包み込むように握る感じです。ですから指で握るというよりも掌で握る感じです。握る角度は構えた時に切先が相手ののど元に向くようにしています。

 

そして振り下ろした時は、雑巾をしぼるようにとよく言われますが、私は絞るというよりも腰の高さで止めた時に木刀の先端が落下しようとする反動で逆に上に行こうとする柄を掌底(手根骨)部分で受け止めて・その力を腕だけで受け止めるのではなく腕・胴を通して最終的には下丹田で受け止めることを心掛けています。上半身と下半身を繋げて身体を一つにする感じです。

 

前回のブログで野球素振り用の鉄バットを振っていると書きました。これは長さ84cmの丸棒で、グリップ部分の太さは9分径の杖と同じくらいの27mm、半分先が一回り太くなっています。バットの重心は手元の方ではなく先の方にありますので、このバットで素振りをするとグリップ部分への反動が強く、より丹田で受け止める感覚がでると思っております。また、握る角度が合わないと手首を痛めるのでその意味でもバットの素振りは役に立っているのではないかと思います。

 

ところで、右手と左手の間隔は、私が素振りをするようになった当初は指3~4本分入る程度離しておりましたが、今は1~2本くらいに間隔が狭まってきております。今年6月に甲野善紀先生『武道から武術へ』(学研マーケティング 2011年)を読みましたが、その中に「両手を寄せた持ち方」(同P43)があり「江戸時代以前は、大部分の武士は刀の柄を持つ時、両手を話して持っていたとは考えられない」(同P46)そうです。甲野善紀先生は「左右の手を寄せて刀の柄を握り、自在に使えるようにするには、」「猫背とまでは言いませんが」「伝統的な日本人の姿勢にならざるを得ない」と書かれておられます。ということは両手の間隔が狭くなってきた私の姿勢は伝統的な日本人の姿勢に近づいているのでしょうか?

 

いづれにせよ、素振りが体術に活かせるようにしていきたいと思います。

 

 

 

☆引用させていただいた部分の解釈は私の解釈です。著者本来の意味する内容と異なる場合はご容赦ください。

☆本稿の内容は個人の見解です。所属団体の公式ブログではありません。

 

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