四街道合気会 木刀素振り-2

四街道合気会 木刀素振り-2

 

木刀の素振りについて前回は握り方について思うところを書いてみました。今回は振り方について書いてみたいと思います。

 

まず構えから頭上に振りかぶるのですが、どこまで振りかぶるのかはいろいろありますよね。正面打ちの場合、剣先が頭上45度くらい後方か床と平行くらいが多いのではないかと思います。NHKの大河ドラマ西郷どん」で薩摩藩士が素振りをしている映像では木刀を頭の真上に立てるように振りかぶり気合とともに振り下ろしておりました。

 

私自身は現在床と平行になるくらい振りかぶっておりますが、素振りをしていて刃筋がブレないように振るのは意外に難しく感じます。強く速く振ろうとしてちょっとでも力んでしまうとブレてしまいますし、握りの左右力のバランスが崩れてもブレてしまいます。また、四方斬りで後ろ向きに転換して振る場合は、剣先は背中の後ろから振るようになりさらに立ち方も逆になったり、身体の中心軸がブレてしまったりなどいろいろな要因が重なってしまうので刃筋がブレれないように振るのは何年たっても難しいです。

 

岩間合気道の斉藤守弘先生のDVDでは剣先が腰の後ろにつくくらい振りかぶっております。1kg以上ある真剣の場合そこまで振りかぶると重さで身体が後方に崩れてしまうのではないかと思ってしまいますが、石堂倭文先生は『道理を愉しむ居合道講座 全日本剣道連盟居合編』(スキージャーナル 2014年 P18)で「最近の居合道では、振りかぶった刀は、後方で切先を水平より下に下げてはならない、という〝常識〟がまかり通っています。以前、無双直伝英信流のある先生は「背中につくほど振りかぶって切れ!」と指導されていました。大きく振ることが、体の動き、手の内を知るひとつの稽古法だったからです。」とお書きになっておられます。

 

また、長野峻也先生は『剣に学ぶ武術の奥義』(アスペクト 2016年 P11)で「マキワラは、刃筋が真っすぐ徹らないと斬れません。いろんな人に試し斬りをやらせてみると、空手経験者が一番下手でした。素人のほうが素直に振って、スパッと斬れたりします。理由は明白です。長年の空手修行の癖で、斬る瞬間に腕の筋肉を締めてしまうからです。こうすると、体幹部の重心移動が腕でストップしてしまい、刃に威力が乗らない上に刃筋もブレてしまい、斬れなくなります。剣道経験者も失敗する人が多いのですが、これは斜めに斬る技を練習していないのと、日本刀で斬るのではなく竹刀で打つ練習をしているので、「(竹刀は)雑巾を絞るように打て」と教わっていると、結果的に腕の筋肉を締めてしまい、刃筋をブレさせてしまうのです。刃筋がブレると重心力が集中せず、力が無駄に消費されてしまいます。」とお書きになっておられます。

 

大きく振ることによって、下半身・上半身を繋げて身体を一つにし、剣を手の内で正確に扱えるようになり、手の内の感覚があれば大きな振りかぶりであろうが小さな振りかぶりであろうが刃筋がブレずに正確に斬れるようになるのだと思います。(体術でも同じことがいえると思います。)

 

いろいろな振り方をしてみないとわからないことがたくさんあると思います。癖がついてしまっているかもしれない私などは最もダメかもしれませんが、試し斬りを経験できるところがあると思いますので、是非一度トライしてみたいと思います。

 

 

 

☆引用させていただいた部分の解釈は私の解釈です。著者本来の意味する内容と異なる場合はご容赦ください。

☆本稿の内容は個人の見解です。所属団体の公式ブログではありません。

 

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